〜視覚化より先に、“空間の整え方”を見直してみた〜
前回の記事では「構造化」という考え方に出会って、わが家の暮らしが変わり始めたお話をしました。
今回はその中でも、最初に取り組んで効果を実感した“空間の構造化”についてご紹介します。
朝のバタバタに悩んでいた1年前の私へ
新学期、支援級に進級したわが子。
でも朝の支度は、まるで毎日が初日かのようなバタバタ劇。
「次、何するんだっけ?」を何度も繰り返し、
私も「なんでできないの?」と声を荒げてしまう日々でした。
「構造化」との出会い
ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、通い始めた療育の場で出会った「構造化」という言葉。
最初は“視覚支援”のイメージが強かったけれど、実は“空間をどう整えるか”から始めるのが効果的だと知り、まずそこから見直すことにしました。
実際に最初に取り組んだ「空間の構造化」
◆学習と食事のゾーンを分ける
以前はダイニングテーブルでごはんも勉強もしていましたが、切り替えがうまくいかず集中しにくい様子。
思い切って薄型の壁付けデスクを追加し、学習の場を“分ける”ことに。
イスは回転させて兼用することで省スペースにも対応しました。
◆遊び道具との距離を取る
勉強中、横におもちゃが見えているとつい手が伸びてしまう…。
そこでおもちゃ棚は視界から外れる位置に移動し、レースのカーテンで軽く仕切ることで、圧迫感なく“今使わない”感覚をつくりました。
◆動線と視線を“ゆるく区切る”
リビングの中に「ここは勉強」「ここはくつろぐ場所」と明確にゾーニングするために、マットや家具の配置で視線と動線を整理。
小さなことだけど、「場所の意味」が変わると、子どもの行動も自然に変わってきました。
実践後の変化
- 「今はこっちの場所でやる時間だよね」と、自分で切り替えられる場面が増えた
- 私自身も、毎回声かけしなくても“流れで動ける”感覚に助けられた
- 朝の支度も、ひとつひとつの行動に“意味づけ”ができて、イライラが減った
誰でもできる支援としての構造化
「空間を整える」って、特別な支援っぽく聞こえるかもしれません。
でも実は、どの家庭にもすぐ取り入れられる工夫なんです。
- 家具を少し動かす
- カーテンやマットで仕切る
- 机の位置を変えてみる
たったそれだけでも、暮らしに“意味”と“流れ”が生まれる。
それが子どもの「できた」につながり、親の安心にもつながります。
まとめ
🍋もし今、朝の支度でつい怒ってしまう…という日が続いていたら、
まずは空間から“行動しやすさ”を整えてみるのがおすすめです。
何をするかの前に、「どこで」「どう動くか」を整えるだけで、
びっくりするくらい暮らしが回り出しますよ。
▶︎ 次におすすめ:【視覚の構造化】“TODOリストじゃない”見える化の工夫とは?
コメント